
犯罪の手口
ピッキング侵入
ピッキングとは、針金状の工具を使って鍵穴から不正に開錠する方法を言います。数年前に、外国人窃盗団により爆発的に被害が発生した為、社会問題化した手法です。ある特定の錠前が集中して狙われた為、ご記憶の方も多いと思いますが、現在でもそのタイプが5000万個程使用されている模様です。

ピッキング対策は、錠前自体の弱点を根本的に見直さなければなりません。ピッキングによって簡単に開いてしまうものであれば、錠前を交換するようお勧めいたします。また、補助錠があるからと安心していても、補助錠さえもピッキングされてしまうこともあります。錠前と補助錠のどちらかがピッキング対策されたものでなければ、全く無意味なのです。
今すぐチェック!ピッキングに弱い鍵穴!

ディスクシリンダー
ピッキングで簡単に開いてしまう鍵。このタイプは現在までに全国に7000万個も出回っています。この鍵は狙われています。今すぐ交換を!

ピンシリンダー
鍵違い数が少なくピッキングに弱い鍵。中には特殊ピン内臓でピン数も多くピッキングに強い物もありますが、今すぐ診断が必要です。
ピッキング対策のご案内
- ピッキング対策済みのシリンダーに交換する。
- ピッキング対策済みの補助錠を取り付ける。
サムターン回し侵入
ドアの鍵穴近くにドリルで穴をあけ、特殊な工具を差し込んでサムターンを回す手口です。ドアの鋼鈑は、小さな手回しドリルでも簡単に穴があく位の強さしかないのが大半です。他にも、ドアのスキ間に細い針金を入れる等、サムターンを狙う手口は様々です。
サムターンは、部屋の内側にいる人が鍵を開け閉めし易くするためのもの。だから、室外側から手や工具が届けば簡単に侵入されてしまいます。

また、ドアには元々いろんな穴やスキ間があります。侵入犯にとって、まさにアナだらけでスキの多いドアは狙い目なのです。 さらに、集合住宅だと全戸が同じドア・同じサムターンであるのが普通。1件侵入したら隣も同じ手口で次々と…!侵入犯にはとても効率の良い手口なのです。
サムターン回しの様々な手口


サムターン回し対策のご案内
- 空回り機能付きのサムターンにする。
- サムターンにカバーを付ける。
バールこじ開け侵入
かなり強引な手口ですが、特に時間がかからずあっという間に侵入を許し、犯行につながってしまいます。一見頑丈そうに見える扉も、隙間に工具を入れられると意外ともろいのです。工具はバールに限りませんが、てこの原理で破錠(はじょう)するこの方法は、扉が外側に開くことを利用したもので、日本の家屋の場合その多くがこの破錠方法に対してまったく無力です。
この手口は錠前自体を操作せずに、ドア自体を破壊します。そのため、ピッキングやその他の手口への対策では、全く対応できません。

当店では一般的な手口の対策はもちろん、こうした強引な手口への対策も整っております。ぜひご相談ください。
バールこじ開け対策のご案内
- 補助錠を取り付ける。
- 扉や錠を強化するカバー等を設ける。
- 扉を内開きにする。
ガラス破り侵入
一戸建ての侵入手口として最も多いのが、ガラス破りです。ガラスのない家はありません。鍵さえしておけば大丈夫という気持ちも、ドロボウには通用しません。
強化ガラスは、通常の割れに対しては頑丈にできていますが、ドロボウの手口には歯が立ちません。
また、窓ガラスは中が見えることから、盗むものを確認されてからの犯行につながるため、ガラスを破られるということは、即座に物が盗まれるということでもあるのです。

ガラス破り対策のご案内
- ガラス破りに強い窓ガラスに変える。
- 窓ガラスに防犯フィルムを貼り付ける。
- ガラスサッシ用の補助錠を取り付ける。
- 警報装置を取り付ける。
その他の侵入事例
現在横行している事例以外にも、各種の手口が日々増加しています。情報の特性上、詳しく解説できない面もございますが、防犯の観点からお伝えできる限りの情報をご提供します。一般的な手口の対策が問題ないからと安心せずに、本当に大丈夫かどうか、今一度ご確認ください。
扉のあそびからのサムターン回し
鍵を掛けた時に扉を引いてみて、あそびが大きい場合は要注意。ただし南向きや西向き扉は、扉の膨張を考えあそびは大きめです。穴あけ同様にサムターンカバーや、空転サムターン等が有効です。
ドアの明かり取り用ガラスを破壊してのサムターンまわし
簡単にサムターンに手の届かない場所に、明かり取りを設置します。空転機能付の補助錠を取り付けるか明かり取り用ガラスを防犯ガラスに交換すれば、明かりを妨げることなく防犯できます。ステンレスパンチングメタル等は、明かりを妨げずに防犯できます。
ポスト突き破り
玄関のポストは、ほとんどが2点ビスで固定されています。ポストの入口を外すと、小さい手なら入ってしまいます。また、棒を入れてサムターンを解除します。
ドアメガネを外す
詳しくはご説明できませんが、可能な開錠方法です。ドアメガネも簡単に固定されていますので、接着剤で固定します。手では外れませんのでドリルが必要となり、時間が稼げます。
無締り
- ①少しの間の外出(ごみ捨てや幼稚園バスの送り迎え後の立ち話)を狙っています。
- ②浴室やトイレ、脱衣所の窓は換気のために開けっ放しの方が多いのですが、こんな小さな窓からでも頭が入れば、侵入しますので注意が必要です。
- ③オートロックマンションの場合、無施錠の方が多く、狙われています。
格子を外す、または破壊しての侵入(浴室、洗面所など水周りは無施錠が多い)
窓が無施錠だと格子さえ外せば、何の苦もなく侵入できます。窓が施錠されていれば、ガラス破壊の手間が加わるため、侵入の確率はかなり低くなります。
- ①格子を取り付けているビスを外す 簡単なプラスネジやナットが、外から見える取り付け方法の物は、危険です。このような時はドリルでネジをつぶしたり、接着剤で頭を潰すことが必要です。現在新築の格子のほとんどは、外から取り外しができないタイプです。
- ②縦格子を壊す 現在の格子はアルミ製が多く、縦格子は二点止めなので、破壊が比較的容易です。ラティス(斜めの物)タイプの格子が、止め数が多く比較的丈夫。
窓ガラスを破っての侵入
- ①三角割り(マイナスドライバーでガラスにひびを入れる)、焼き破り(ガラスを熱する)等の手口
クレセントだけでなく必ずもう一つ以上の防犯金具が必要です。防犯ガラスでも必ず補助金具が必要です。
- ②戸建て2階やマンション最上階のベランダ窓の無締り
はしごや屋上があれば、戸建ての2階やマンション最上階への侵入は簡単です。2階やマンション最上階の窓は無締りが多いので、狙われやすいです。
- ③勝手口ドアのガラスを破る
勝手口ドアは建物の裏側に設置されている場合が多く、またガラスが必ず入っていますので、侵入しやすいです。
鍵を使っての侵入
- ①植木鉢の下、ポストの中などの「隠し置き鍵」を使用する
置き鍵の場所は空き巣には簡単にわかってしまいます。空き巣はそれが仕事です。
- ②合鍵を不正に作製する
空き巣の手口としては一般住宅での被害は少ないのですが、近くの人の犯罪としては珍しくありません。簡単に複製のできないタイプの鍵が有効です。
- 例1:
- 会社のロッカー、机の中から鍵を持ち出され近くのキーコーナーで複製をとられた。
- 例2:
- 数時間鍵を渡している間に複製をとられた。
概略ですが、以上がドロボーの侵入手口です。当店では、色々な被害に遭われた方々の錠前修理や被害後の防犯対策を行っております。そのほとんどが上記の侵入手口を理解していれば、防げたと思われるものです。
また、被害に遭われていない方々の防犯診断に伺った場合は、「うちには盗られる物が何もない」「人の目があるから大丈夫」「○○○に入っているから大丈夫」「盗まれても保険で出るから」「何をしても入る時には入る」と口々に言われます。
これらのことは間違いではありませんが、防犯強化した上での二次的な対策での話であり決してそれ自身が防犯ではありません。
今後警察まかせで犯罪が減ることは決してありません。空き巣からみて侵入しにくいと思わせることが空き巣被害を防ぐ為に必要なことです。 防犯強化しても、計画的または暴力的破壊により、被害にあった方々は狙われている方です。危険を冒してでも、それなりの実入りがあれば犯行に及びます。現金、貴金属等はあまり家に置かないことをお薦めします。また情報が漏れると、組織的に狙われます。多額の物を置いておかなければ、狙われる確立は低くなります。実入りがあるか無いかわからない、そして防犯強化された家には、無理をして侵入はしません。